2014年1月13日月曜日

かぐや姫の物語を観た。

かぐや姫の物語を観た。

ジブリ史上最高傑作な印象。とはいうものの、万人がそう思うかともいえない作品ではある。その理由は非常にふわっとした作品で感じる映画に思えたからだ。

わかりやすい説明、セリフもなければ、起承転結、はいこうなりましたチャンチャンな作風ではない。

はしばしに表れるキャラクターの内面を描き出したプロットを丁寧に拾い、キャラクターの心情に自分を重ね入り込むことで、初めていい作品だと感じられる作風。

命、リンク、輪廻、清濁、自我、自由といった普遍的テーマを題材にしており、鑑賞者のターゲットは幅広く、孫持ちのシニア層、子持ちの家庭層、恋人同士の若者や子供向けと、誰でも観れる。

鳥獣戯画のようなタッチで描かれたアニメーションは、ある意味アニメーション表現の禁断領域へ踏み込んでいるように思えた。

そう思った理由として「現実世界をデフォルメしつつも、キャラクターや衣装、背景といったオブジェクトの力のベクトル、動きや重力を現実世界並に感じた」からである。

デフォルメというより、脱力感が絶妙で、キャラクターと情景のどちらにも効果的に表れてる。色は極端に淡く少なく動く絵でそれは成立し、止まり絵では良さが汲み取れない。

わたしたちが現実に見たり、聞いたり、匂い、感じる「現実世界」をなんともいえない夢の中のようなアンリアルなタッチで描くがゆえ、イマジネーションは掻き立てられ、とてつもないリアル感を生み出している。

イマジネーションの副作用により、土や草木、着物の匂いといった香りを脳内で再生できたことは印象的であった。

そもそもアニメーションという表現手法は、全てが虚構で形成されており、実写映画のような現実に存在する風景や役者とは異なるアプローチで作られている。

なんとも本末転倒な気がするのだけれど、全てが虚構であるにも関わらず、なぜかリアルな絵柄やハイクオリティのCGを使えば、「まるで実写そのもの!」と評価や驚嘆の声があがる。主観的に、アニメを実写に寄せる必要性をあまり感じない性分ゆえ、この作品の表現にはインパクトを感じた。

なんとも罪作りな作品。このレベルを作品として出してしまったのなら、後輩の方々は並ならぬ作り方をしなければならないだろう。現実をデフォルメした非現実で描き、現実とも非現実ともどちらともいえない作品を作られてしまったのだから。

また、効果音にもこだわりが聞き取れ、着物の擦れ、衣紋掛のきしみ、琴を動かしたときの弦の鳴りなど、徹底した作り込み。

個人的には演出面でビーストモードとラスト直前の捨丸とのやりとりが心に残った。ダイナミックで荒神のような凄まじい書き込み、制御不能な筆のタッチ、内面の慟哭、怒り、エネルギーがスクリーン全面に押し寄せる演出、Zガンダムにおけるカミーユとフォウのやりとりのようなガンダム節を彷彿とさせる演出。

少しでも興味があれば、ぜひとも鑑賞されたし。